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CASE 03

退職時に株式を買い戻す価格は
どう決める?

従業員や役員に自社株を持ってもらった。
退職したら、会社や経営者が買い戻す予定になっている。

しかし、買取価格までは決めていない。

取得時と同じ価格でよいのか。
退職時の税務評価額を使うのか。
会社が成長して株価が上がっていたら、どうするのか。

従業員や役員が退職しても、保有株式が自動的に会社へ戻るわけではありません。

退職後も株主として残る
可能性があります

退職者が株式を保有し続ければ、元従業員や元役員が株主として残ります。

保有する株式の内容に応じて、配当を受ける権利や議決権も残ります。本人が死亡すれば、相続人が株主になる可能性もあります。

退職後は株式を手放してもらう予定であれば、少なくとも次の2点を決めておく必要があります。

  • 誰が買い取るのか
  • いくらで買い取るのか

退職時になって初めて話し合うと、会社と退職者の利害が対立することがあります。

誰が買い取るかで
検討内容が変わります

退職者の株式を買い取る主体には、次のような候補があります。

  • 経営者個人
  • ほかの既存株主
  • 後継者
  • 会社

誰が買主になるかによって、確認すべき税務上の時価や課税関係が変わることがあります。

会社が自己株式として買い取る場合には、通常の株式売買とは異なり、みなし配当や会社法上の手続なども確認する必要があります。

そのため、価格を計算する前に、まず誰から誰への取引になるのかを特定します。

買取価格には
三つの決め方があります

取得時と同じ価格で買い戻す

従業員が1株1,000円で取得したため、退職時も1株1,000円で買い戻す方法です。

分かりやすい一方、取得後に会社の価値が大きく変わっていると、退職時の株価と合わなくなる可能性があります。

会社が成長している場合には退職者に不利となり、業績が悪化している場合には買主に不利となることがあります。

退職時の株価を算定する

退職時点の会社の業績や資産、株主としての立場などをもとに、その時点の株価を算定する方法です。

ただし、非上場株式には市場価格がありません。税務評価、純資産、収益力など、どの観点から算定するかによって結果が異なります。

評価方法だけでなく、誰の立場から、何の目的で求める株価なのかを整理する必要があります。

あらかじめ計算方法を決めておく

取得時の契約などで、退職時の買取価格の計算方法を定めておく方法です。

例えば、一定の評価方法を使う、直近の決算を基準にする、第三者へ算定を依頼するなどの方法が考えられます。

ただし、将来の会社の状況をすべて予測することはできません。計算方法が長期間にわたり合理的に機能するかも検討する必要があります。

税務評価額と買取価格は
同じとは限りません

退職時の買取りでは、税務上確認すべき株価と、実際に合意する買取価格を区別して考えます。

税務評価額で買い戻さなければならないわけではありません。しかし、当事者が合意すれば何円でもよいわけでもありません。

次の価格を比較します。

  • 税務上確認すべき株価
  • 会社の収益力や資産から考える株式価値
  • 取得時の価格
  • 事前に定めた計算方法による価格
  • 実際に予定している買取価格

価格差がある場合は、その理由と税務上の影響を確認し、なぜその価格を採用したのか説明できるようにします。

株式を持ってもらう時点で
決めておくこと

従業員や役員に株式を持ってもらうときは、取得時の価格とともに、将来の出口も検討します。

最低限、次の事項を整理します。

  • 退職、死亡など、買取りの対象となる事由
  • 株式を買い取る人
  • 買取価格の計算方法と基準時点
  • 価格算定を行う人
  • 代金の支払時期と方法

株式の売却義務、譲渡制限、会社による取得など、法的な設計が必要な事項は、弁護士等と連携して検討します。

すでに退職が決まっている場合

買取価格を決めないまま退職時期を迎えた場合は、現在確認できる資料と事実から整理します。

  • 株式を取得したときの契約や説明
  • 取得価格とその決定方法
  • 現在の持株割合と株主としての権利
  • 現在の税務評価額
  • 会社の業績や資産の変化
  • 過去の買取実績
  • 退職者との交渉経緯

そのうえで、税務上の株価、株式の経済的な価値、予定する買取価格を比較します。

事前に取り決めがなかったからといって、取得時の価格や税務評価額のいずれかを、そのまま採用すればよいわけではありません。

取得価格と将来の出口を
一緒に設計します

従業員や役員への株式移転では、取得時の価格だけを決めても十分ではありません。

退職後も株主として残るのか。
誰が買い取るのか。
どの時点の、どの株価を使うのか。

当事務所では、売主・買主、持株割合、取得時の経緯、退職時の税務上の株価、会社の経済価値、予定する買取価格を比較します。

これから株式を持ってもらう場合は、
取得価格と買戻しの仕組みを同時に検討します。

すでに退職が決まっている場合は、現在の契約、資料、会社の状況から買取価格を整理します。

退職時の買取価格を決めていない。取得時の価格で買い戻してよいか分からない。

退職時の株価を相談する

誰が買い取るのか、どの価格を確認する必要があるのかから整理します。

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